セカンドオピニオンについて
セカンドオピニオンとは今かかっている医師だけではない他の医師から意見を求める制度となります。
医師や病院で治療方針が違う事、患者自身や家族が受けたい治療が様々であるため最善と思える治療を医師と共に判断するためのものです。
基本的には患者からの申し出ですが、本人から同意を得た家族(3親等以内など)でも可能となります。
セカンドオピニオン活用ポイント
(1)主治医から診断や治療についての説明を受け、疑問点等については相談をする。
(2)セカンドオピニオンを受ける医療機関を探し受診が可能かを確認する。その際、必要なデータや資料なども確認する。
(3)担当医に意思を伝え、病歴やこれまでの治療、病状など他医療機関の医師が助言するために必要な情報を記載した紹介状(診療情報提供書)や検査結果など必要な書類やデータを準備してもらう。
(4)セカンドオピニオンを受ける医療機関のセカンドオピニオン外来を予約する。
(5)担当医から受理した紹介状、検査結果などの資料をセカンドオピニオンをうける医療機関に送付する。
(6)予約日に病院へ行き、医師よりセカンドオピニオンを受ける。その結果を担当医にフィードバックし、今後の治療方針等について相談をする。
セカンドオピニオンの紹介は?
民間の保険に加入している方 続きを見る
医療保険やガン保険に加入されている方は、保険に付帯している事が多いです。
自分の加入している保険の付帯内容について今一度確認してみましょう!
今と未来の自分に合った内容ですか?保険の見直しの必要性
民間の保険に加入していない方
インターネット環境があれば“病名 セカンドオピニオン”で検索すれば対応している病院のHPだ出てきますので自分に合った病院が見つかるよう調べていきましょう。
ガンに関しては『ガン相談支援センター』での問い合わせも可能です。
https://hospdb.ganjoho.jp/kyotendb.nsf/xpConsultantSearchTop.xsp
経験談
私の母は1年の難病を闘病した後、昨年亡くなりました。
これは母の治療でセカンドオピニオンの制度を使わなかったため後悔した話です。
発病
母が体調崩した当初は診断名が中々出ず検査検査の繰り返しであったためセカンドオピニオンが使えないのか尋ねましたが
診断名が出ないと使えないと言われました。
この段階では私の頭には『セカンドオピニオン』の言葉がしっかりあり、使う事も考えていました。
一月ほど経過しやっと診断名が出たので調べたら完治の為の治療法が確立されていない難病でした。
現在確立している治療法とすれば進行を抑えるための対処療法程度でした。
当時かかっていた病院が、その難病の専門の診療科があったため同病院にお願いする事になりました。
対処療法を始めて2か月後は体調も落ち着き表情も良くなり退院となり、このまま対処療法であっても、この状態でいられれば良いと思っていました。
積極的治療開始
退院後の通院で医師から「この対処療法のままでは5年の生存率が低いため積極的治療を行いましょう」との話がありました。
(治療方法の説明の時にしっかりリスクの話もありました)
父と母と相談し自分たちが任せようと思った医師の言葉だから、やってみよう!となりました。
入院治療開始してから、母の状態は退院した時と比べて元気がなくなっている様に見えました。
母本人は「大丈夫」としか言わないのと、医師からは「強い薬だから負担がかかっている」との説明でした。
母が入院している時は週に2~3回程お見舞いに行っていたのですが、行く度に弱弱しくなっているように見えたのが気がかりでした。
積極的治療は一度に行わず時間をかけ行うものなので、治療を終えて退院を数回繰り返しました。
しかし回数を追う毎に母は悪化しているように見えていました。
新型コロナ襲来
新型コロナが猛威を振るい始めた時から面会禁止になりました。
最初の頃は差し入れを入院している階まで持っていけたので看護師から状態を聞けたのですが、最後の方は入口階で待ちヘルパーさんが持っていく形に変更となり詳しい状況を聞けなくなりました。
差し入れの連絡を入れてもらう際に質問事項あれば言っても大丈夫だったと思いますが何故か頭が回りませんでした。
最後に生存している母と会ったのはICUでした。
会う前の医師からの説明は「薬で眠っている状態」との事でした。
ちなみに、この時に会わせて貰えたのは“もう治療しても生存出来ない。最後だから”です。
会った母を見て感じたのは“眠らされ、生かされている”でした。
それから数日後に母は永眠しました。
今だからの後悔
今になって振り返るとセカンドオピニオンをお願いする機会は何度もかあったのに全く頭から抜けていました。
今だから考えられるセカンドオピニオンのタイミングは
・積極的治療開始してから弱々しくなっているなと感じた時
・母も同席した今後の治療方針の話し合いで50%50%と言われた時
だったと思っています。
タイミングとは少し違いますが、面会禁止になってもまだ病棟まで入れた頃に病状だけでなく日常生活に関する状況も聞いておけば良かったと思います。
衣→自分で着替えが可能な状態か?
食→食事はどのていど食べられているか?自分で食べているか?
動→トイレは歩きか車椅子か行けないのか?
ここの部分を聞けば少なからず状況判断が出来たかな・・と。
セカンドオピニオンが頭から抜けていた言い訳を上げるとすれば
・弱っていく母を見て現実逃避をしていた。
・新型コロナで母が退院した時のために家のウイルス対策ばかりに目を向けていた。
・面会しても会えなかったため状態を把握出来なかった。
他にも色々思いますが主は上記3つだと思っています。
もちろんセカンドオピニオンを使ったところで今がどうなったか分かりません。
しかし制度がある事を知っていたのなら、やらない後悔ほど悔やむものはありません。
最後に
一言
セカンドオピニオンは使う側にとって今かかっている医師に対する裏切り行為のような気持ちが少なからず出てくると思います。
まして大切な人の事ですからセカンドオピニオンをお願いする事によって関係が悪くなる心配とかも・・
しかし、大切な命を守るためにより良い選択肢を知る事も大事な事です。
私みたいに使わずに後悔するより、使う事で後悔が減らせる可能性もあるかもしれません。